MUSICAL STORY  ミュージカルストーリー
NTT西日本・NTT東日本フレッツシアター ミュージカル・プレイ『青い鳥を捜して』
ジェイク・マクノートンは、全米シェアトップの下着メーカー「エルグランド社」の御曹子。徹底した労務管理、経営方針で、父親が興した小さな下着メーカーを大企業に押し上げた辣腕である。一ヶ月後には「エルグランド」のイメージ・ガールである女優のブレンダ・バートンとの結婚が決まっていた。しかしこの結婚はジェイクが打ち出した自社のイメージ戦略の一環であり、ブレンダもまた、愛情よりも女優生命の安定とスポンサーを離さんとするがための策略だった。

少年期のジェイクは、童話好きな心優しい少年だった。しかし母親の死が夢多きジェイクの性格を変えてしまった。夢を捨て、信仰を捨て、現実的で科学的なものだけを人生の糧として生きていく『科学人間』へと変貌させたのである。

ジェイクには血の繋がらない義理の弟フィンセントがいた。エルグランド社が大企業へと発展したのもジェイクとフィンセントの兄弟が力を合わせて尽力した結果である。しかし人間味に欠けるジェイクの経営方針と対立したフィンセントは退社し、渡仏。現在はアルプスの山中で山岳救助隊員をしていた。

ジェイクの父親アンソニーは、ジェイクの結婚を機に社長の椅子を息子に譲ろうと考えていた。しかし問題が二つあった。一つはジェイクが義理の弟フィンセントと和解していないこと。もう一つは、ジェイクがあまりに合理的過ぎる考えの大人に成長してしまったことであった。アンソニーは社長の地位を譲る条件に、フィンセントを「副社長」としてエルグランド社に呼び戻すことを加えた。フィンセントが社に復帰することで、二人が和解し、少しでもジェイクに温かい人間性を取り戻させればと考えてのことであった。この提案をジェイクは快諾。しかしフィンセントはこれを拒否。ところが救助隊を支援していた団体が突然資金援助凍結を申し出、救助隊は解散の危機に陥る。フィンセントは資金提供と引き換えにエルグランド社への復帰を決心する。

二人は、エルグランドの「コピー商品」を偽造しているというアジアの或る国に視察に出掛ける。そこで二人は生活苦の為に「偽ブランド作り」に手を染める貧しい一家の暮らしぶりを目の当たりにする。徹底した糾弾と訴訟で対抗する考えのジェイクに対して、フィンセントは「今回だけは見逃してやれ」…という。

その時、ジェイク達の目前に青い鳥が舞い降りピーピーと鳴いた。童話が大好きで亡き母と共に青い鳥を飼っていたジェイクには、鳥の鳴き声が「見逃して下さい」と懇願する「家族の声」に聞こえた。ジェイクは何故か「偽ブランド問題」を一時棚上げにして、その場を立ち去ろうとする。そこに怪しげな扮装の『鳥占い』の老人が登場して、「見逃してくれた礼に『鳥占い』をしてあげよう」と告げる。選んだ鳥が「運命の人の名」を告げるというのだ。ジェイクは青い鳥を選んだ。青い鳥は「アナタノ、ウンメイノヒト、ジーナ・コールター」と喋った。「鳥が喋ることなんて、気にすることもない」とジェイク達は帰路、空港に向かう。

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