DIRECTOR PROFILE ディレクター紹介
宝塚歌劇団 演出家 石田昌也 Masaya Ishida
1979年4月、宝塚歌劇団入団。1986年10〜11月、宝塚バウホール公演『恋のチェッカー・フラッグ』でデビューを果たし、続いて1987年9〜10月『青春の旋風(かぜ)』を発表。また1989年2〜3月『硬派・坂本竜馬!』では早逝した幕末のヒーローの活躍を小気味良く描くなど、いずれも型破りに生きる青年像を新鮮な感覚で造形し、好評を得る。(共にバウホール公演)

宝塚大劇場デビュー作は新時代の到来を感じさせる軽快なショー作品『ブレイク・ザ・ボーダー!』(1991年9〜10月)。その後も『TAKE OFF』(1993年5〜6月)、『ハイパー・ステージ!』(1994年9〜11月)、『ジュビレーション!』(1995年9〜11月)、『スナイパー』(1998年5〜6月)等ショー作品を精力的に手掛け、いずれも宝塚的ショー概念に固執することなく作品ごとに異質なテーマをスピーディーに紡ぎ、出演者の新たな魅力を引き出す。

ドラマ作品でもライト感覚で世相を映したオリジナル作品『恋人たちの神話』(1992年5〜6月)を手掛ける一方、谷崎潤一郎の名作「春琴抄」をもとにした『殉情』(1995年5〜6月)、映画が大ヒットしたつかこうへい作「蒲田行進曲」をもとにした『銀ちゃんの恋』(1996年6月)など様々なジャンルの世に知られた題材に現代的アレンジを加えるなど、意欲的な創作活動で宝塚歌劇の可能性を広げる(全てバウホール公演)。

1996年12月〜翌年1月にはシアター・ドラマシティ公演『RYOMA』(1989年『硬派・坂本竜馬!』のリメイク)を手掛けた後、1997年5〜6月『誠の群像』でも血気盛んな新撰組を取り上げるなど動乱期の青春群像を一人一人にスポットを当てつつ鮮やかに描き出す。1999年4〜5月にはオリジナルドラマ『再会』を発表、現代のモナコを舞台にしたコメディタッチの洒落たラブストーリー展開が好評を博す。

新生宙組とミレニアム年とを記念したショー作品『ミレニアム・チャレンジャー!』(2000年8〜9月)では宝塚の舞台に初めて本格的ヒップホップダンスを取り入れるなど新しい試みが光る。また三菱財閥の創始者・岩崎彌太郎を主人公に近代日本の夜明けを描いた『猛(たけ)き黄金の国』(2001年2〜4月)では宝塚ではあまり取り上げない時代背景ながら、印象的なダンス場面を巧みに挿入するなど随所に工夫を見せ、フランス映画「世界で一番好きな人」をもとにした『長い春の果てに』(2002年8〜9月)では出演者の個性を生かした絶妙の配役で、人生の悲哀を滲ませ温かく味わい深い秀作に仕上げる。聖女として名高いジャンヌ・ダルクが愛した傭兵ピエールとの不器用な恋の行方を描いた小説の舞台化(2003年2〜3月)『傭兵ピエール』(2003年2〜3月)では、重い史実に適度なコメディー要素を加味。2004年11〜12月『青い鳥を捜して』でも新鮮な大人のラブストーリーに期待したい。
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