~歌劇3月号掲載・座談会より一部抜粋~
木村信司(脚本・演出)
戦乱の世の男たちの物語で、殺し合いや騙し合いがあるわけで、脚本を書いている時は、もしかして“虞美人”ではなく、“項羽と劉邦”を書いているのではないかと思ったこともありました。
ですが、そういった世界を宝塚で上演するにあたっては、虞美人一人のみならず、女性的な世界というより、観音の許しというのでしょうか。
それは許しであると同時に、命のはかなさ、様々なもののはかなさ、権力とかそういうものは消えていくんだという真理でもあります。
そんな意味で、白井先生が最初に題名を“項羽と劉邦”ではなく『虞美人』と付けて作品化された理由を、今回脚本を書き終えて感じましたね。
演出家としてのこれからの仕事は、お客様に分かりやすいものをきちんと創っていくこと。
それを主眼にしていこうと思っています。
分かりやすさというのは、一人ひとりの生徒、一つひとつの芝居がいきいきしていて、そこに演劇のリアリティが感じられるということです。
焦らず一歩一歩きっちりと創り上げていきたいと、今心に念じています。
真飛 聖
今の花組は何が来てもどんな曲を作って頂いても、みんなのコーラスで聞かせられる底力や、勢い、やる気があり、みんなで『虞美人』という作品に向かって集中しているので、私もこれからが楽しみです。
色々なことを勉強しながら、先生方とディスカッションしながら創り上げていきたいと思っています。
桜乃 彩音
先生方の思いが詰まったこの作品を、今度は私たちが心を込めて全身全霊で素敵な作品にして、お客様に感動して頂けるよう頑張りたいと思います。
壮 一帆
自分の役割をしっかりと掴み、表現し、作品に彩りを添えられるように頑張りたいですし、たくさんある曲をきちんと自分のものにして歌っていきたいです。
『虞美人』座談会には、木村信司(脚本・演出)、長谷川雅大(作曲・編曲)、梨花ますみ(王媼役)、夏美よう(范増役)、真飛聖(項羽役)、壮一帆(劉邦役)、愛音羽麗(韓信役)、未涼亜希(張良役)、桜一花(紅林役)、華形ひかる(衛布役)、真野すがた(季布役)、花野じゅりあ(呂役)、桜乃彩音(虞美人役)、朝夏まなと(子期役)、望海風斗(桃娘役)、白華れみ(戚役)が出席。
各々の役についての印象や意気込み、80曲を超える楽曲についてなど、とても読み応えある内容となっています。
また、歌劇3月号では『虞美人』に関連して、“特別企画第46回「ワールドワイド オブ タカラヅカ」宝塚大劇場花組公演『虞美人』-新たなる伝説- ~項羽と虞美人が生きた時代と、彼らを描いた史記について歴史的な視点から見つめなおす~”も掲載。
座談会と合わせてお読みいただくと更に公演が楽しめます!
歌劇3月号は、3月5日よりキャトルレーヴ各店、全国有名書店のほか、オンラインショップ「HANKYUBOOKS 」にて発売いたしますので、皆さま是非お買い求めください。