フランスの推理作家モーリス・ルブランの代表作「アルセーヌ・ルパンシリーズ」は、怪盗であると同時に、いくつもの顔を持つ変装の名人、ときには頭脳明晰な名探偵でもある主人公、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが活躍する人気推理小説シリーズです。
1907年に1作目となる短篇集『怪盗紳士ルパン』が発表され、その後も『ルパン対ホームズ』、『奇巌城』、『水晶の栓』、『虎の牙』、『813』、『カリオストロ伯爵夫人』など、アルセーヌ・ルパンシリーズは50作品以上が発表され、60カ国以上で翻訳されました。
本公演の原作となるのは、ルブランが生前に執筆しながらも未発表のまま封印されていた小説、『ルパン、最後の恋』。ルブラン没後70年の時を経てこの原稿が見つかり、アルセーヌ・ルパンシリーズ最後の作品として2012年に発表され話題となっています。
第一次世界大戦終結から間もない1921年、元外交官のレルヌ大公が突然自殺し、一人娘の令嬢は悲しみにくれていた。
そんな彼女を助けるのは、「四銃士」と呼ばれるレルヌ大公から後見を託された4人の男たち。
レルヌ大公は遺書の中で、この4人の中に正体を隠したアルセーヌ・ルパンがいる。ルパンは信頼に足る人物なので、それが誰かを見つけ出して頼りにするように。と記していた。
やがて令嬢は、自分がレルヌ大公の娘ではなく、母親がイギリスのハリントン卿との間にもうけた子だったという思いがけない事実を知らされる。
高貴な血をひく彼女は、国際的陰謀に巻き込まれていく。
そんな彼女を救うべくルパンは動きだすが、見えない敵に苦戦する。
永遠のヒーロー、ルパンと姿なき敵との死闘が幕を開ける。