用語解説

アンシャン・レジューム

フランス革命後の制度に対する「旧制度」。

絶対王政

国王が絶対的な権力を持つ政治形態。絶対主義。

旧制度の身分制

革命前のフランスの身分制度は、第一の身分である聖職者、第二の身分の貴族の特権階級層とそのほか国民の大部分を占める第三の身分である平民という身分制度に分かれていました。第一身分と第二身分の特権階級層は、国民のわずか数パーセントの者たちで形成されており、免税はもちろんのこと、国家の重責を担っていました。結局のところ、国家の財政を担っていたのは、第三の身分と言われる平民でした。

アメリカ独立戦争

1775~1783年。北アメリカの植民地十三州がイギリスからの独立を目指し起こした戦争。
フランスはこれを支援し、自国の経済危機を引き起こした。

三部会

聖職者・貴族・平民の議員から構成されるフランスの身分制議会のこと。旧体制時代のフランス議会。

国民議会

フランス革命における最初の議会。1789年三部会の身分別審議や票決に反対する第三身分(平民)の議員を中心に成立した。

ブルジョアジー(ブルジョア)

第三身分(平民)の中で最も勢力のある階級。市民階級。有産階級。現代では、主に資本家階級のことを指す。

国王ルイ16世

1754-1793。フランス国王(在位1774-1792)。チュルゴー・ネッケルらを任用して財政再建を図ったが、貴族の抵抗により三部会召集を強いられ、フランス革命を誘発。妻のマリー・アントワネットとともに国外逃亡(ヴァレンヌ事件)を謀り、王権の失墜と共和運動の高揚を招き、王権停止後、処刑された。

王妃マリー・アントワネット

1755-1793。フランス国王ルイ16世の妃。オーストリアの女帝であるマリア・テレジアの娘。乱費と民衆蔑視で国民の反感を招く。フランス革命時に王政維持のために武力干渉を各国に要請し、反革命派の中心人物とみなされ処刑された。

名士会

聖職者・貴族・平民の三身分の代表者から構成される国王の諮問機関であり、国政に関する重要事項を審議する。メンバーは国王が指名する。
その名士会で、ルイ16世は、ブルジョアジー出身の有能な財務長官のチュルゴーやネッケルの意見を導入した、聖職者や貴族の免税特権を縮小するという税制改革を試みようとした。この改革案に対して、貴族は猛反対をした。

テニスコートの誓い

1789年にベルサイユ宮殿のテニスコートにおいて、第三身分議員が憲法制定まで解散しないことを誓ったことを指す。

バスティーユ牢獄襲撃

絶対王政の象徴でもあるバスティーユ牢獄(政治犯を収容していた牢獄)を襲撃したことは、フランス革命の始まりと言われている。

フランス人権宣言

1789年8月26日「人は生まれがならにして自由であり、平等である」ことを宣言したフランス人権宣言が採択され、それとともに第一身分~第三身分の階級に分けられていた、聖職者・貴族・平民という身分制度も廃止された。

ジャコバン党

パリのジャコバン修道院を本部とし、民衆の立場に立った政治結社として設立するものの、ジロンド派(右派)と山岳派(左派)の2つの陣営に分裂した。革命期の初期に実権を握っていたのは、共和制を推すジロンド派。そのジロンド派を倒し政権を掌握したのが、恐怖政治で有名な山岳派。ロベスピエールを中心として、1793年独裁体制を敷き、急進的改革を断行、恐怖政治を展開した。1794年にテルミドール反動で打倒された。

ジロンド派

ジロンド県出身者が中心となったジャコバン党の一派。ブルジョアジー勢力。穏健な共和主義。

祖国は危機にあり

対外戦争において敗戦が続き、立法議会は「祖国は危機にあり」宣言を出します。
フランス各地の義勇兵がパリに集結し、王政停止への引き金となった、いわゆる8月10日の革命を引き起こした。

8月10日の革命

パリの民衆とフランス各地から集まった義勇兵が、王政停止の要求をしてテュイルリー宮殿を攻撃した事件。

ヴァンデの反乱(暴動)

フランス西部にあるヴァンデ地方の反革派の農民たちによって蜂起。王位と旧制度復活を支持する貴族が、これに便乗したかたちで反乱が拡大した。1793年に始まり、ナポレオンが 1801年に正式に終結させるまでに、ゲリラ的に行われ、数十万人もの死者を出したと言われている。

公安委員会

恐怖政治を敷く上で、最も主要な機関。設立当初は、ダントンを筆頭に9人のメンバーで構成されていたが、最終的には、12人のメンバーとなった。恐怖政治の独裁の象徴。

ロベスピエール

1758-1794。フランス革命時代の政治家。ジャコバン派の中心人物。国王の処刑やジロンド派追放を推進、反革命勢力一掃のために恐怖政治を行った。
民主的諸改革を実施するが、1794年のテルミドール反動により処刑された。

恐怖政治

フランス革命時代に、ロベスピエールを中心としたジャコバン党(主に山岳派)が中心に行った独裁政治のこと。

ナポレオン

1769-1821。ナポレオン・ボナパルテ。
ナポレオン一世。フランス第一帝政の皇帝(在位1804-1815)。コルシカ島の下級貴族出身。
砲兵士官としてフランス革命に参加、王党派の鎮圧に活躍する。イタリア遠征では司令官として名声をあげる。1799年クーデターにより統領政府を樹立、第一統領となりナポレオン法典編纂・産業保護など近代化に努める。1804年皇帝に即位、列国と交戦を重ねイギリスを除く全ヨーロッパをほぼ制圧した。しかしモスクワ遠征の失敗、諸国民の解放戦争激化により14年退位、エルバ島に流される。15年復位して「百日天下」を実現したが、ワーテルローの戦いに敗れ、セントヘレナ島に幽閉され没した。

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