PUCK
シェイクスピアの「真夏の夜の夢」をモチーフに、人間に恋をした妖精パックが愛を得るために大活躍し、最後に人間になるまでを描いた、明るくコミカルでファンタジックなミュージカル。
1992年、涼風真世を中心とした月組で上演され好評を博した作品です。
再演の呼び声の高かった名作が、松任谷由実氏の提供による主題歌「ミッドサマー・イヴ」と共に、100周年の宝塚歌劇の舞台に甦ります。

演出家 小池修一郎

演出家 小池修一郎

『PUCK』を再演するにあたっての想い、テーマについて

 シェイクスピアの「真夏の夜の夢」を読むたび、一番面白いキャラクターである妖精パックが、ヒロインのハーミアに恋をしてしまったらどうなるんだろう?というスピン・オフを想像していました。「妖精」と謳われた涼風真世さんに、従来の宝塚的フェアリーでなくややマンガチックな妖精を演じて貰おうと思い、パックを企画しました。
 時代の空気を反映させたくて、松任谷由実さんに曲を提供して頂いたり、メルヘンの形をとりつつも、妖精の眼に時代がどう映るか考えつつ組み立てたことを記憶しています。当時の月組のユニークな面々が個性を競い合い、舞台全体が弾けていたのを懐かしく思い出します。

公演への意気込みと、お客様へのメッセージ

 よく「PUCK大好きでした!」と若い生徒や、お客様に言って頂くことがありました。
22年ぶりの再演ともなると、果たして皆さんのご記憶や思い入れにお応え出来るか気掛かりではあります。しかし、龍真咲率いる現月組も、涼風時代に劣らぬ個性派揃いなので、彼女たちの個性が新たな輝きを発するよう、お客様と楽しみを共有出来れば幸いです。弾ける月組にご期待下さい!

CRYSTAL TAKARAZUKA
「ショーはイメージの結晶」というコンセプトのもと、“情熱の結晶”“虹の結晶”“夢の結晶”などのシーンで構成した、ダンスを中心にしたエネルギッシュなショー。
伝統と革新を重んじ歩んできた宝塚歌劇の100周年を飾るに相応しい、明るく躍動感溢れる作品です。

演出家 中村 暁

演出家 中村 暁

『CRYSTAL TAKARAZUKA』のテーマについて

 “CRYSTAL”は、水晶や結晶を意味する言葉。このショーでは、“CRYSTAL(結晶)”というイメージのもとに、音楽・衣装・舞台装置がつくりあげられてゆく。
そして、振付家はその音楽に様々な色合いを見出して振付を考え、出演者に与える。出演者はその振付をダンスとしてゆく。様々な動きが、一音ごとに形を変え、衣装・装置・照明と、舞台上で響きあう。出演者全員がそのエネルギーを出し切ったとき、その空間に一つの結晶が生まれる。舞台の上に生まれた、“イメージの結晶”である。

公演の見所と、お客様へのメッセージ

 “CRYSTAL TAKARAZUKA”は、出演者全員の群舞の場面も織り込み、プロローグでは出演者の客席降りもあります。また、ダンスを中心にすえながら、ストーリー性のある場面もあり、ロケットや男役の黒燕尾のダンスとは違った趣があります。ドラマチックなダンス、躍動感にあふれた群舞、しっとりとしたデュエット・ダンス。様々な歌とダンスがつめこまれた発散系の明るいショーです。どうぞ最後までお楽しみ下さい。