制作発表会レポート

2013年11月11日(月)に、東京宝塚劇場で行われた制作発表会の模様をお届けします。
今回は、実際の舞台を使用したパフォーマンスのため、
より壮大なスケールで描かれる作品世界を、早くも体感することができる会見となりました。
その一部をご紹介し、公演の魅力に迫ります。

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楽曲披露

フランスが生んだ最大のヒーロー、ナポレオン・ボナパルトに扮した星組トップスター・柚希礼音の登場。王の正装である赤、白、金色が眩い豪華な衣装を身に纏い、圧倒的な存在感を知らしめます。
花道からはナポレオンの妻・ジョセフィーヌに扮した星組トップ娘役の夢咲ねねが、女官を引き連れ厳かに登場し、ナポレオンが妻に冠を授ける、あの有名な「戴冠式」の情景が再現されました。
この公演は、全曲ジェラール・プレスギュルヴィック氏が書き下ろした楽曲が使用されることでも注目を集めていますが、その中から3曲を、柚希と夢咲により楽曲披露いたしました。
まず、夢咲がジョセフィーヌの心情を表わす楽曲を情感豊かに歌い上げます。
続いて、柚希がナポレオンといえばこの姿、二角帽子を被った軍服姿で、本番さながら銀橋を渡って歌唱を披露し、その伸びやかな歌声で劇場は包み込まれました。
ジェラール氏の独特の美しく壮大なメロディラインと、小池修一郎が紡ぎ出す美しい詞のコラボレーション。早くも作品の壮大なスケールを感じさせるパフォーマンスとなりました。

上演にあたり

演出家 小池修一郎
演出家 小池修一郎

宝塚歌劇100周年にあたり、ジェラール・プレスギュルヴィックさんと作品を創るということになり、いくつかの題材を候補に挙げて、今年の春からジェラールさんと打ち合わせを始めました。フランスの作家の彼からもイメージが掴みやすいこと、柚希礼音という宝塚歌劇が誇るスターのキャリアを生かせるということで色々と検討した結果、ナポレオンという人物を題材にしてみてはどうかということになりました。ナポレオンを題材にした作品は、宝塚歌劇では30年ほど前に、花組の高汐巴さん主演、植田紳爾先生作・演出の『愛あれば命は永遠に』がありましたが、今のフランスのミュージカルの創り方に、お互いが歩み寄っていくと、どのような感じになるのかというのが今回ある意味実験でもあります。そこで新たな面白い演劇が生まれたらと思っております。

●イメージしていたナポレオン像

勤勉な人だと思います。彼は下級貴族出身で、そのまま軍人になっても、それほど上の位までいけなかったかもしれないのですが、時代の流れであり、彼自身の能力であり、色々な要因で皇帝にまで上り詰めるわけです。運勢の中で揺れながら自分を伸ばし、且つ、限界に挑戦し、ある意味挫折はするのですが、人生の山と谷が、とても魅力的な人だと思います。彼も最初から偉そうな皇帝であるわけではなく、むしろ頑張り屋の少年であった…、そういうところから今回の作品は始めたいと思っています。

●柚希礼音に対して

素晴らしいキャリアにも関わらず、変わらない明るさや屈託のなさ、元気さ、いい意味で柔らかさを持ち合わせている人なので、ナポレオンの半生を演ずる上で、若い頃の柔軟さと、段々上り詰めた後の緊張感や貫禄といった両方が表現できるので、満を持してという気が致します。

●夢咲ねねに対して

今までジュリエットなど比較的若い役が多い印象ですが、大人っぽい役も本来できる人だと思います。ジェラールさんも仰っていたように、彼女のチャーミングなところが、ジョセフィーヌと接点があると思います。

公演の意気込み

星組トップスター 柚希礼音
星組トップスター 柚希礼音

偉大な先輩方が築き上げてこられた100年の歴史の重みをひしひしと感じ、とても身の引き締まる思いです。その節目の時に、こうして劇場に立たせていただける喜びを感じながら、小池先生を信じ、スタッフの方と出演者全員が一丸となって素晴らしい作品になるよう、頑張って稽古に励みたいと思います。そして、大好きなジェラール・プレスギュルヴィックさんの創った曲を歌わせていただける喜びを胸に、お客様が感動していただける舞台となるよう精進して参ります。

●楽曲について

ジェラールさんの楽曲は素晴らしいと、あらためて感じました。曲をいただいて譜読みをしているだけでも世界が広がり、イメージが膨らむ曲です。メロディが転調していくことによって、心情が変わっていく感じを曲自体が自然に表現させてくれるので、それに乗っていきたいと思います。

●衣装について

本当に豪華なお衣装を着させていただきます。実は(王の正装の)衣装はすごく重いのですが、100周年の幕開けを飾る責任の重みを感じながら、毎日公演をしたいと思います。

星組トップ娘役 夢咲ねね
星組トップ娘役 夢咲ねね

100周年の幕開きを劇場で迎えられるということは、とても嬉しいと思うと同時にプレッシャーを感じてもいます。しかし、小池先生を信じて、柚希さんが創られるナポレオンと共に、自分も成長していけるように頑張って参ります。ジョセフィーヌは、たくさんの解釈がありますが、私が感じるジョセフィーヌの思いや、女性として共感できる部分を大きく広げていければと思っています。

●楽曲について

最初に曲を聴いた時に、ジョセフィーヌが生まれ育ったマルティニーク島の雰囲気が伝わる、とてもキレイな曲だと感じました。ジョセフィーヌが人を魅了するように、楽曲も聴いていたくなるような曲調と、惹き付ける歌詞になっていますので、とても素敵だと思います。

●衣装について

衣装のデザイン画を拝見したのですが、豪華で綺麗なお衣装ばかりで娘役冥利に尽きます。早く皆さんにご覧いただきたいです。

公演のポイント

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宝塚歌劇100周年の記念すべき第一作目に相応しく、「宝塚から世界へ発信するオリジナル作品」を目指した超大作ミュージカルです。
作曲に『ロミオとジュリエット』のジェラール・プレスギュルヴィック氏を招き、小池修一郎との日仏コラボレーションでの創作となります。

フランスが生んだ最大のヒーロー、ナポレオン・ボナパルトの栄光に彩られた人生の軌跡を、妻ジョセフィーヌとの愛と葛藤を中心に、全曲ジェラール氏書き下ろしの切なくも激しい魅惑のメロディの数々に乗せて、壮大なスケールでお届けします。
また、革命を描きつつも、宝塚歌劇らしい愛のドラマをしっかり堪能いただける作品になることでしょう。
宝塚歌劇の“伝統”と“革新”の力を、この作品を通してお客様に感じていただけるのではないでしょうか。

円熟期を迎えた星組トップコンビを中心とした、個性溢れる登場人物たちをどのように魅せてくれるのかも、非常に期待が高まります。
宝塚歌劇100周年の幕開けを華々しく彩る、ル・スペクタクル・ミュージカル『眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に―』に、どうぞご期待ください!!