スタッフ紹介
音楽 シルヴェスター・リーヴァイ

 1945年、ハンガリー人の両親(父は作家、母は音楽教授)のもとスボティカで生まれる。8才より同地の音楽院において音楽教育を受け始め、15才で作曲コンクール初受賞。1962年から1972年にかけてヨーロッパ各地のオーケストラと活動を共にする。」

 1972年、ミュンヘンに移る。ウード・ユルゲンス、カチャ・エップシュタイン、ペニー・マックレーン、その他多数のアーティストとの仕事を精力的にこなす。この時期に作家、劇作家ミヒャエル・クンツェと出会い、「フライ・ロビン・フライ」、「恋のブギー」、「レディ・バンプ」等の世界的ヒット作を共同プロデュースする。レコードも多数発表し、「フライ・ロビン・フライ」はグラミー賞受賞の栄誉に輝いた。

 1977年から1980年にかけてはエルトン・ジョン、ドナ・サマー、ハービー・マン等のアーティストのための作品を作曲及びプロデュース。自作は全て自らが指揮し、オーケストレーションも行った。また、ピアノやクラリネット等各種楽器の演奏もこなした。

 以後20年はハリウッドに定住し、映画音楽の作曲に専念。マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン等の人気俳優、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ等の著名な映画監督と仕事をする。これまでに映画やテレビ作品のために、100作品以上の作曲を手掛けている。

 その間もクンツェとの交流は途絶えることなく、この創作コンビは90年代以降、ミュージカルという新分野に専念。1991年、「Hexen Hexen」(魔女)がハイルブロンの野外劇場で上演され、大成功を収める。1992年には二作目のミュージカル「エリザベート」の世界初演が、ハリー・クプファーの演出によりアン・デア・ウィーン劇場で開幕。「エリザベート」はドイツ語のミュージカル史上最も成功し、オーストリア、日本、ハンガリー、スウェーデン、オランダ、ドイツで上演され、観客動員数は200万人以上を数える。

 その後「モーツァルト!」でもミヒャエル・クンツェ(脚本)、ハリー・クプファー(演出)、ハンス・シャヴァーノッホ(舞台美術)と協力し、1999年にアン・デア・ウィーン劇場で初演、成功を収めた。同作品はハンブルグ、スウェーデン、日本、ハンガリーで上演され、各国でも好評を博した。

 2006年9月、同じくクンツェとのコンビによる、ミュージカルの新作「レベッカ」がウィーンで上演され、好評を博した。また、11月には遠藤周作の原作を得て、ミュージカル「マリー・アントワネット」が帝国劇場で開幕した。
世界のミュージカル界に新風を吹き込み、常に次回作が待ち望まれる作曲家である。

宝塚歌劇団 演出家 小池修一郎

 1977年、宝塚歌劇団入団。1986年宝塚バウホール公演『ヴァレンチノ』でデビュー。世界的銀幕スターの光と影を繊細に描き出し、新人らしからぬ完成度の高さで一躍注目を浴びる。1987年バウホール公演『蒼いくちづけ』は、宝塚歌劇では異色なドラキュラを主人公に、ロマンチシズム溢れる作品に仕上げ観客を魅了。一方1988年『タイム・アダージオ』や1990年『美しき野獣』などファンタジーの要素を含む上質なショー作品にも着手し、新風を巻き起こす。

 1989年『天使の微笑・悪魔の涙』で宝塚大劇場デビュー。1991年には同名小説初のミュージカル化『華麗なるギャツビー』を発表。アメリカン・ドリームに生きた男の波乱に満ちた人生を、古き良き時代の雰囲気を漂わせてテンポ良く描き、1992年度菊田一夫演劇賞を受賞。1992年にはシェイクスピアの「真夏の夜の夢」をモチーフにした『PUCK』を手掛け、老若男女問わずミュージカルの醍醐味を味わえるファンタジックな演出が大好評を博した。1995年、ケネディ大統領の生涯をドラマチックに描き出した『JFK』は、骨太な秀作に仕上げた。

 1996年雪組において、ウィーンの大ヒットミュージカル「エリザベート」日本初上演に挑む。黄泉の帝王トートを主役に置き換えるという画期的な潤色・演出で高い評価を得て、同年星組で再演。1998年に上演した宙組版は読売演劇賞優秀演出家賞を受賞、2002年花組版もヒットを記録し、宝塚歌劇史上に残る傑作となる。

 その一方で1999年『タンゴ・アルゼンチーノ』、2001年『カステル・ミラージュ』などオリジナル作品でも独自の切り口で手腕を発揮し、哀愁漂う秀作を生み出す。外部公演にも活躍の場を広げ、2000年東宝ミュージカル「エリザベート」の演出・訳詞によって毎日芸術賞の千田是也賞を受賞。2002年東宝ミュージカル「モーツァルト!」の演出を手掛け、読売演劇大賞の優秀演出賞、菊田一夫演劇賞大賞を受賞。2003年『薔薇の封印』は再び吸血鬼を主役に据えた一本物作品で、時空を越えるオムニバス形式をとり出演者の多彩な魅力を引き出すことに成功。2005年月組で『エリザベート』を再演し、全組上演の記録を達成した。同年、春野寿美礼コンサート『I GOT MUSIC』は、様々な楽器を絡めて出演者のナチュラルな魅力を見せるエンターテイメント作品に、またバウホール公演『DAYTIMEHUSTLER』はサスペンスの要素を持つ上質なラブストーリーに仕上げて多くの支持を得た。2006年3〜5月、ブロードウェイの作曲家フランク・ワイルドホーン氏との初コラボレーションによる『NEVER SAY GOODBYE』は、ファシズムと戦う男女の愛をテーマにダイナミックかつ感動的な舞台として好評を博した。

 最新作は同年12月シアター・ドラマシティ公演『MIND TRAVELLER』。記憶喪失の男を主人公に、観客の興味をそらさぬミステリアスな展開を見せた。宝塚には異色な題材をロマンチックに彩ることに優れ、今の時代を絶えず意識したセンスと緻密さが持ち味の演出家である。

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