マリー・アントワネット生誕250周年記念
宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』
〜池田理代子原作「ベルサイユのばら」より〜
脚本・演出/植田紳爾 演出/谷正純
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■解説
ハプスブルク家の女帝マリア・テレジアの末娘、マリー・アントワネットは14歳という若さで、フランス、ブルボン家のルイ15世の孫である皇太子ルイ(後のルイ16世)のもとへ輿入れする。フランス宮廷に入ったアントワネットは、その美貌と愛くるしさで宮廷中を魅了したが、反面、お洒落で遊び好きなアントワネットの浪費振りは、先代王からの財政難に拍車をかけ国庫は危機に陥り、それゆえ益々重くなった税金のため疲弊した民衆は、アントワネットを激しく憎悪するようになっていた。
華やかな宮廷生活を送りながらも、アントワネットは孤独と虚しさに苛まれていた。そんな毎日の中、アントワネットはオペラ座の仮面舞踏会で、スウェーデンの貴族ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンと出会う。知的で凛々しく美しいフェルゼンとアントワネットは運命的な恋に落ちる。そしてまた、王妃付き近衛隊隊長を務める男装の麗人オスカルも、叶わぬ恋と知りながら、密かにフェルゼンに心を寄せるのだった。フェルゼンとアントワネットは密かに逢瀬を重ねる。二人の関係が、王妃の立場を危うくする結果になることは火を見るより明らかであった。オスカルは、アントワネットにフェルゼンをスウェーデンに帰すよう進言する。しかしアントワネットは、例え罪であろうとも、フェルゼンと離れることはできないと、激しい恋心を吐露する。アントワネットの後見人であるメルシー伯爵は、王妃の名誉を守る為にも別れてほしいとフェルゼンに懇願する。フェルゼンは断腸の思いで帰国を決意する。幼い頃からオスカルだけを愛していたアンドレは、自分の気持ちを抑えつつ、フェルゼンを慕うオスカルを見守っていた。フェルゼンは、オスカルを守ってやるのは君の役目だとアンドレに言い残し、スウェーデンへと去って行く。
スウェーデンに戻ったフェルゼンのもとを、近衛少佐ジェローデルが密かに訪れる。王宮の危機を聞かされたフェルゼンは愕然とするが、国王一家救出の為に再びフランスへ行くことを決意する。しかし、時既に遅く、アントワネットはコンシェルジュリーの牢獄に幽閉されていた。牢獄に忍び入るフェルゼン。思いがけない再会にアントワネットは嬉しさを噛み締めるが、フェルゼンの深い愛に感謝しながらも、フランスの王妃として立派に死ぬ覚悟であることを告げる。生涯掛けて愛した女性が断頭台に向かう後姿を見送りながら、深い悲しみに耐え、フェルゼンは呟く。「王妃様、あなたは私の胸の中にいつまでも生きています。あのベルサイユに咲く紅薔薇のように……」と。 |
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ショー『ソウル・オブ・シバ!!』−夢のシューズを履いた舞神−
作・演出/藤井大介
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■解説
この世に舞を生み出したとされるシバ。そのシバが現代に甦ったとしたら……。タップやブルースなどニューヨークの香りと、豪華なレビューシーンで構成した、ストーリー仕立てのエキサイティングなダンシング・ショー。
舞いの神シバは、天空の城でソウル・オブ・シバにガラスのシューズを授け、現代のニューヨークに送り出す。
ブロードウェイ大通り。劇場前では、貧しい少年レークが靴磨きをしている。そこへ通りかかった芸能プロデューサー、オーキッドの靴を磨いたレークは、高額の金を貰い喜び踊り出す。その様子を見ていたオーキッドは、レークをスカウトする。
青年レークはニューヨークの一流バレエ学校へ。そして夜は高級酒場でアルバイト。ある日、オーキッドと大女優ダイスの姿に横恋慕したマフィアのスタンが、二人に絡んできた。レークの助けで、スタンは逃げ去る。喜んだオーキッドとダイスは、いつかレークを一流のステージに立たせようと約束する。
やがてレークは大スターに。そしてレークとダイスは恋に落ちる。嫉妬に狂ったオーキッドは、レークを苦しめる。ダイスの激しい慟哭。オーキッドはダイスをさらっていく。「もう踊れない、もう踊りなどいらない!」レークの絶望。そこへ天空からシバが現れ、傷付いたレークの足に触れる。すると、美しい歌声と共に激しいタップのリズムが……。 |
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