スタッフ紹介
宝塚歌劇団 演出家 小池修一郎
1977年、宝塚歌劇団入団。宝塚バウホールでのデビュー作は1986年雪組公演『ヴァレンチノ』で、世界的銀幕スターの光と影に彩られた人生を繊細に描き出し、完成度の高い作品として一躍注目を浴びる。2作目となる1987年星組バウホール公演『蒼いくちづけ』では吸血鬼ドラキュラを宝塚歌劇ならではの耽美的ヒーローとして成立させ、ロマンチシズム溢れる作品に仕上げ観客を魅了。1988年『タイム・アダージオ』や1990年『美しき野獣』(共に花組)などファンタジーの要素を含む上質なショー作品にも着手し、新風を巻き起こす。

宝塚大劇場デビュー作は1989年月組公演『天使の微笑・悪魔の涙』。ゲーテの小説で有名なファウスト博士を主人公に取り上げ、ロマンチックかつ斬新な構想が冴える独創的な作風が高い評価を得る。1991年には小説「グレート・ギャツビー」の世界初のミュージカル化となる雪組公演『華麗なるギャツビー』を発表。アメリカン・ドリームに生きた男の波乱に富んだ人生を、古き良き時代を漂わせつつテンポ良く描いた本作は、1992年度菊田一夫演劇賞を受賞。1992年にはシェイクスピアの「真夏の夜の夢」をモチーフにした月組公演『PUCK』を手掛け、ミュージカルの醍醐味を味わえる夢のあるファンタジックな演出が大好評を博す。1995年にはケネディ大統領の波乱に富んだ生涯を題材にとり、ドラマチックに描いた『JFK』を発表。

1996年雪組公演『エリザベート』でウィーンの大ヒット・ミュージカルの日本初上演に挑む。黄泉の帝王トートを主役に置き換えるという宝塚歌劇ならではの男役の魅力を活かす画期的な潤色・演出で内外共に高い評価を得て、同年星組で再演。同作品は1998年に宙組が上演し読売演劇賞優秀演出家賞を受賞、また2002年の花組版もヒットを記録するなど宝塚歌劇史上に残る傑作の一つとなる。その一方で1999年花組公演『タンゴ・アルゼンチーノ』、2001年宙組公演『カステル・ミラージュ』などオリジナル・ミュージカルでも独自の切り口で手腕を発揮し、哀愁漂う秀作を生み出す。外部公演にも活躍の場を広げ、2000年には東宝ミュージカル「エリザベート」の演出・訳詞によって毎日芸術賞の千田是也賞を受賞。2002年には東宝ミュージカル「モーツァルト!」の演出を手掛け、読売演劇大賞の優秀演出賞、菊田一夫演劇賞大賞を受賞するなど高い評価を得る。2003年月組公演『薔薇の封印』は再びヴァンパイアを主役に据えた一本物作品で、時空を越えるオムニバス形式をとり出演者の多彩な魅力をドラマチックに引き出すことに成功。宝塚歌劇らしい優美さと、観客を引き付ける新鮮なアイディアをセンス良く共存させ得る、鬼才の演出家である。
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